2011年12月21日水曜日

対称性による類推について

ある概念を説明する際、それと似た概念をもって説明することを類推(アナロジー)という。

あるものの構成要素の数は、単純に、1か2か3か4か・・・と分類されるが、それらの数の一致をもって何かを言うというのは危険である。

あるものが似ているからと言って、それらが同じ性質をもつとは限らない。
類推が成り立つのは、それらが結果的に同じ法則に従う場合だけだ。(例えば、同じ方程式に従うなど。)

上位概念は蓋然的ないくつかの要素から帰納的に仮定され、演繹的に検証される。そのため、ある「似ている」ものを見つけると、それらが他の面でも同じ性質を持つと考えたくなってしまうものであるが、実際にはそういえることは少ない。

「似ている」ものの中でも特に「構成要素の数」は極めてありふれており、出会う機会が多いだけに注意が必要である。

「構成要素の数」の対称性には例えば次のようなものがある。これらのものを即座に結び付けてしまうのは誤謬である。これらはその「構成要素の数」以上の関連性が無いかもしれない。

これらを見て、「関係がある!」と思ってしまった人は、よくよく考えてみよう。「何が違うか」を考えれば、おそらくそれらの間に同じとは言えない反例が見つかるはずだ。

(ちなみに以下には対称とは言えないものも含まれている。)


■2の対称性

・男と女
・裏と表
・自と他
・有と無
・真と偽
・右と左
・光と影
・実数と虚数
・正と負
・生と死
・始まりと終わり
・天国と地獄
・物質と反物質
・賢者と愚者

■3の対称性

・XYZ
・クォーク
・ぐー、ちょき、ぱー
・R、G、B
・金、銀、銅
・固体、液体、気体
・カラーテレビ、自動車、クーラー
・タンパク質、炭水化物、脂肪
・神、イエス、精霊
・神、悪魔、人間
・ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ
・魏、呉、蜀
・陸、海、空

■4の対称性

・加法、減法、乗法、除法
・4次元空間(x,y,z,t)
・A、G、C、T (DNA)
・東、西、南、北
・前、後、左、右
・春、夏、秋、冬
・地、水、火、風
・起、承、転、結
・風、林、火、山
・生、老、病、死
・ハート、スペード、ダイヤ、クラブ